はじめに
「データの中心」は平均値で見られますが、
「データがどれくらいバラバラか?」を表すには、分散と標準偏差が欠かせません。
このページでは、統計の基礎である 「分散」と「標準偏差」の意味と計算方法を、くま先生と一緒にやさしく学びます。
数式が苦手な人にもわかるよう、図や具体例を交えて丁寧に解説します!
データの「ばらつき」ってどう見るの?

平均は分かったけど、バラつきってどうやって見るんですか?



いい質問だね。平均だけじゃ、データの広がりはわからないんだ。そこで登場するのが “分散” と “標準偏差” だよ。
分散とは?|データのばらつきを示す指標
**分散(variance)**とは、データが平均からどれくらい離れているかを表す数値です。
すべてのデータについて「平均からの差の2乗」をとり、その平均を出します。
計算式(母分散):


例:データ【70, 80, 90】
- 平均 = 80
- 平均との差 = -10, 0, +10
- 差の2乗 = 100, 0, 100
- 分散 = (100 + 0 + 100) ÷ 3 = 66.7
ポイント:
- 数値が大きい → データが広がっている
- 数値が小さい → データがまとまっている
標準偏差とは?|分散の「単位を戻した」値
**標準偏差(standard deviation)**は、分散の平方根です。
分散は2乗の世界なので、元のデータと単位が違ってしまうという問題があります。
→ その単位を戻すために「√分散」をとったものが標準偏差です。
さきほどの例:分散 = 66.7
→ 標準偏差 = √66.7 ≒ 8.16
ポイント:
- 単位が元のデータと同じなので、直感的に理解しやすい
- 医療、看護、教育、経済など、幅広い分野で使われる



なるほど…分散って2乗してるから見た目より大きい数字になっちゃうんですね。



そうなんだ。標準偏差にすれば、実際の“ズレ”が感覚的にわかりやすくなるよ。
分散・標準偏差の使いどころ
シーン | 指標 | 理由 |
---|---|---|
患者の血圧のばらつき | 標準偏差 | 平均だけでなく変動の大きさも把握できる |
学生のテスト成績の安定性 | 分散・標準偏差 | 安定しているか?バラバラか?を見たい |
臨床試験のばらつき評価 | 標準偏差 | 実データとの比較がしやすい |
なぜ「2乗」するの?
平均との差をそのまま足すと、正と負が打ち消しあって 0 になってしまいます。
→ そこで、2乗して“正の値”にすることで、ばらつきを正しく反映しているのです。



たしかに、差を足したらゼロになっちゃいそう…



2乗はちょっと手間だけど、データの広がりを見るにはとても役に立つんだ。
分散・標準偏差をEZRで求めるには?
EZRでは、[記述統計] → [基本統計量の表示] から、平均・分散・標準偏差を簡単に算出できます。
※詳しい操作は別記事:EZRでの基本統計量の表示方法 をご覧ください。 → ▶作成中です。
まとめ|平均だけじゃダメ。ばらつきも見よう!
指標 | 内容 | 使い方 |
---|---|---|
分散 | 平均からのズレの2乗の平均 | 広がりを数値で評価 |
標準偏差 | 分散の平方根(単位は元と同じ) | 実際のズレ感覚がつかみやすい |



これからは、平均と一緒に標準偏差も見るようにします!



それでこそ“統計を使える人”だね。数字の裏にあるバラつきを見ていこう!
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