はじめに
新幹線の空調システムは、乗客の快適性を最大限に確保するために様々な工夫がなされています。本記事では、新幹線の空調の仕組みと、空調を上手に利用するための方法について解説します。快適に新幹線に乗車するために役立つ情報が満載ですので、ぜひご一読ください。
新幹線の空調システムの仕組み
新幹線の空調システムは、外気を取り入れて車内に送り込む機能と、車内の空気を外部に排出する機能を備えています。これらの機能を組み合わせることで、新鮮な空気を常に循環させ、快適な車内環境を実現しています。
空調装置の設置場所
新幹線の空調装置は主に床下に設置されており、コンパクトなデザインが求められます。熱交換器の小型化は大きな課題でしたが、高効率化や送風機の大風量化などの工夫により、車両サイズの増大にも対応できるようになりました。
また、空調装置から車内へ空気を送り込むために、ダクトやラインデリアと呼ばれる送風機が使われています。これらの装置によって、車両全体に空気が行き渡るよう設計されています。
外気取り入れと排出の仕組み
新幹線の車内には、座席の上部や下部に空気取り入れ口が設けられています。この取り入れ口から外気が取り込まれ、空調装置で温度調整された後、車内に送り出されます。
一方、車内の空気は座席の下にある出口から排出されます。この出口から換気装置を経て外部に排出されるため、車内の空気が常に入れ替わる仕組みになっています。
空気の流れ | 説明 |
---|---|
外気取り入れ | 座席上部や荷物棚下の取り入れ口から外気が取り込まれる |
温度調整 | 取り込まれた外気が空調装置で温度調整される |
車内送風 | 温度調整された空気がダクトなどを通して車内に送られる |
排出 | 車内の空気が座席下の出口から排出され、外部に放出される |
省エネ対策
新幹線では、省エネ対策としても様々な工夫がなされています。代表的なものが、全熱交換器「ロスナイ」の採用です。ロスナイは換気時の熱ロスを回収し、空調負荷を軽減することで省エネを実現しています。
また、空調装置の1基を外気を取り入れずに車内の空気を循環させ続けることで、空調機器の負荷を抑える工夫も施されています。
新幹線の空調を上手に使う方法
新幹線の空調設備は高度に設計されていますが、個人差により「暑い」「寒い」と感じる人がいるのも事実です。そこで、より快適に新幹線を利用するための方法をご紹介します。
座席位置の選び方
新幹線の車内では、座席位置によって温度が異なる傾向にあります。例えば、N700系の新幹線では、窓側の席はエアコンの風が強く当たり、過冷却の可能性があります。そのため、温度の変化に敏感な人は通路側の席を選ぶと良いでしょう。
また、先頭車両の1号車と16号車は、他の車両に比べて座席間隔が狭いため、乗客同士の距離が近くなります。混雑が予想される場合は、2号車以降の車両を選ぶのがおすすめです。
服装の工夫
適切な服装を心がけることで、車内の温度変化への対応力が高まります。夏場は薄手の服装、冬場は重ね着ができるような調節しやすい服装が望ましいでしょう。また、上着やストールなどを持参すれば、冷房が効きすぎた時の対策にもなります。
靴下やスリッパを履いていれば、足元からの冷えを防げるでしょう。小さなお子様連れの場合は、お子様用の上着やブランケットも持参することをおすすめします。
活動量の調整
座った状態と歩いた状態では体感温度が異なるため、車内を歩き回ると暑く感じやすくなります。長距離の移動の際は、できるだけ座ったままでいるのが賢明です。
トイレや車外の売店に行く際は、軽装で行動することが体の温度調節に役立ちます。行動前後で上着の着脱を行えば、体温の変化への対応も楽になります。
まとめ
新幹線の空調システムは、外気の取り入れと車内空気の排出を組み合わせることで、快適な車内環境を実現しています。乗客一人ひとりが上手に空調を活用することで、さらに快適性が高まるでしょう。
適切な座席位置の選択、服装の工夫、活動量の調整など、小さな気遣いが快適な新幹線旅行につながります。新幹線を上手に利用して、心地よい移動時間をお過ごしください。
よくある質問
新幹線の空調システムの仕組みは?
新幹線の空調システムは、外気を取り入れて車内に送り込む機能と、車内の空気を外部に排出する機能を備えています。これらの機能を組み合わせることで、新鮮な空気を常に循環させ、快適な車内環境を実現しています。
新幹線の省エネ対策とは何ですか?
新幹線では、省エネ対策として全熱交換器「ロスナイ」の採用や、空調装置の1基を外気を取り入れずに車内の空気を循環させ続けることで、空調機器の負荷を抑える工夫がなされています。
新幹線の座席位置を選ぶ際のポイントは何ですか?
新幹線の車内では、座席位置によって温度が異なる傾向にあります。例えば、窓側の席は過冷却の可能性があるため、温度の変化に敏感な人は通路側の席を選ぶのがおすすめです。また、先頭車両は座席間隔が狭いため、混雑が予想される場合は2号車以降の車両を選ぶと良いでしょう。
新幹線の快適な乗車にはどのような工夫が必要ですか?
適切な服装を心がけることで、車内の温度変化への対応力が高まります。夏場は薄手の服装、冬場は重ね着ができるような調節しやすい服装が望ましいです。また、上着やストール、靴下やスリッパを持参するなど、小さな工夫が快適な新幹線旅行につながります。